相定申一札之事
一川除御普請之儀近年猥りニ罷成り、御普請茂
　出来仕かたき趣ニ相成り申候二付、村中寄合相談
　致シ候儀左之通 一竹木割方等割符日限之通無間違差出シ
　可申候、勿論直段等村役人見分之上相定申候
　上ハ、村方より彼是申間敷候事
一御普請人足村庄屋方差図之通、少茂違背
　申間敷候事 一御普請人足ニ罷出候節、早朝より暮ニ至迄少茂
　無油断、随分勢ヲ出シ相勤可申候、勿論朝昼ル
　出掛ケ時、ひよしぎ相なり候ハヽ早速罷出、少も
　延引致シ間敷候、猶又たばこ休之時茂、村役人
　差図次第相背申間敷事
一人足日用銀、前々定之通少茂彼是申間敷候、
　勿論仕事之儀も人ヲ不見合、面々我一ばん与
　相働可申事

一村役人之儀茂夫々相応之仕事ハ可致事
一時品ニ、又者油断仕人足有之時者、村役人相談
　之上、外雇人足何程ニ而茂、相談次第相雇
　可申候、其時村人彼是申間敷事

　右之通村中相談納得之上相究候、勿論右
　証文ニもれ候少シ事ニ 至迄、何事ニ不寄村役人
　之差図相背申間敷候、若少シニ而茂相背キ
　候者、并ニ不働キ之者有之候ハヽ即座ニ相返シ、重而
　人足ニ不出申候、其時一言異儀申間敷候、為後日
　村中連判証文相定申処仍而如件

　　寛政二年戌ノ正月　小黒町村惣高持
　　　　　　　　　　　　　　　　半右衛門（印)
　　　　　　　　　　　　　　　　半十良（印)
　　　　　　　　　　　　　　　　五郎右衛門（印)
　　　　　　　　　　　　　　　　安兵衛（印)
　　　　　　　　　　　　　　　　幸右衛門（印)

　　　　　　　　　　　　　　　　茂左衛門（印)
　　　　　　　　　　　　　　　　茂兵衛（印)
　　　　　　　　　　　　　　　　彦太良（印)
　　　　　　　　　　　　　　　　茂右衛門（印)
　　　　　　　　　　　　　　　　清兵衛（印)
　　　　　　　　　　　　　　　　与　平（印)
　　　　　　　　　　　　　　　　孫右衛門（印)
　　　　　　　　　　　　　　　　長左衛門（印)
　　　　　　　　　　　　　　　　藤右衛門（印)
　　　　　　　　　　　　　　　　忠右衛門（印)
　　　　　　　　　　　　　　　　又兵衛（印)
　　　　　　　　　　　　　　　　又右衛門（印)
　　　　　　　　　　　　　　　　五左衛門（印）
　　　　　　　　　　　　　　　　仲右衛門（印)
　　　　　　　　　　　　　　百性
　　　　　　　　　　　　　　　　喜兵衛（印)
　　　　　　　　　　　　　　同断
　　　　　　　　　　　　　　　　庄兵衛（印)
　　　　　　　　　　　　　　庄屋
　　　　　　　　　　　　　　　　東兵衛（印)
　　　　　　　　　　　　　　〆