今月のアーカイブ Archive of the Month

タイトル
中学校用歴史教科書『新しい社会 歴史』(東京書籍 2016年2月発行予定)
『新しい社会 歴史』(東京書籍 2016年2月発行予定)
文書館が収蔵している資料は実は身近な本に掲載されたり、テレビなどでも放映されたりしています。
そして来年度、文書館そのものが中学校の教科書に登場することになりました。
展示ではこれまでの掲載・放映例を集めて教育や研究、創作などいろんな場面で利用されている文書館資料を紹介します。

会期

平成27年12月25日(金)~28年1月20日(水) 文書館閲覧室

展示ケース1 教科書、資料集、問題集など

朝倉氏の分国法

『新しい社会 歴史』(東京書籍)『朝倉家之拾七ケ条』 (写本)
『新しい社会 歴史』(東京書籍)
『朝倉家之拾七ケ条』 年未詳
松平文庫(県立図書館保管) A0143-00483
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戦国大名となった孝景(7代当主)が晩年に残したと伝わる朝倉家の家訓です。
戦国大名が制定した分国法の一つとされています。自らの手で越前国を勝ちとった孝景が17の条文(写本によっては16)で領国支配のあり方を説いています。
また、同教科書では調べ学習の場としても福井県文書館が紹介されています。

江戸時代の年貢割付状

『新詳日本史』(浜島書店 2013年)可納丑御年貢割付(東俣村)
『新詳日本史』 (浜島書店 2013年)
可納丑御年貢割付(東俣村) 1721年(享保6)
飯田広助家文書(当館寄託) G0024-00133-019
鯖江藩領の東俣村に割り当てられた1721年(享保6)の年貢高が明記されています。
鯖江藩に限らず、村々には毎年同様の文書が送られていました。
年貢の割り当ては村単位で(村請制)、各村は村内でやりくりして年貢を納めていました。

明治時代の高札

『ワイド版 公民資料集』(新学社 2012年)『大学入試センター試験実践問題集 日本史B』(駿台文庫 2014年)
『定(五榜の掲示、第三札)』
『ワイド版 公民資料集』
神奈川県版(新学社 2012年)
『大学入試センター試験実践問題集 日本史B』
駿台 大学入試完全対策シリーズ(駿台文庫 2014年)
『定(五榜の掲示、第三札)』 1868年(明治1)年
飯田忠光家文書(当館蔵) G0013-00786
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1868年(慶応4)3月15日に、「五榜の掲示」(新政府の民衆政策)が公示されました。 内容は第1は道徳の遵守、第2は徒党・強訴・逃散の禁止、第3はキリスト教の禁止、 第4は外国人との友好、第5は浮浪の禁止でそれまでと変わらず 幕府の民衆政策を継承するものでした。
これは今立郡西角間村(現在の池田町)で掲示されていた「五榜の掲示」です。

明治時代の『団団珍聞』(まるまるちんぶん)

団団珍聞
団団珍聞 1892年(明治25)~1894年(明治27)
坪田仁兵衛家文書(当館寄託) C0005-00997~01001
1877年(明治9)に創刊された風刺雑誌です。
風刺画はフランス人画家のジョルジュ・ビゴーらが描いています。当時は「新聞紙発行条目」(後に条例)があり、自由な言論は弾圧されていました。
『団団珍聞』は弾圧された社会が本音を吐き出す受け皿になりました。
その他、帝国書院の『アドバンス 中学歴史資料』(2012)、『中学校スタンダード 歴史資料』(2008) などにも文書館資料が登場しています。

展示ケース2 児童書、教養書、雑誌、パンフレットなど

唐傘連判

『税ってなに?』 三木義一唐傘連判
『税ってなに?』シリーズ1 とられる税から私たちの税へ
三木義一(かもがわ出版 2014年)
差上申口書証文一札之事(今市村小前一味連判状ニ付内調口書証文)
1826年(文政9)5月22日 片岡五郎兵衛家文書(当館寄託) A0027-00260
複数人が放射状に書き連ねていく署名形式です。
上から見た傘になぞらえて「傘連判」と呼ばれています。一揆など中心人物が処罰の対象になる非常手段での訴えに多く用いられました。
参加者の平等性を表すとともに、中心人物の隠匿性を高めるための知恵です。

三くだり半

離縁状…三くだり半
去状之事(離縁状) 1686年(貞享3)11月21日
玉村九兵衛家文書(当館寄託) D0075-00171
夫が妻と義父に送った離縁状です。後へのそなえとして相手から証明書「返り一札」を受けとる例もありました。
これは原本ではなく控として書かれた写本ですが、全国で確認されている離縁状の中でも古く、「三くだり半」様式では最古のようです

唐藍(からあい)

手紙から出てきた青色顔料
(唐藍製法売込みの書状)(年未詳)3月27日
飯田広助家文書(当館寄託) G0024-06476
青色の合成顔料です。18世紀初頭にベルリンで発見されたといわれています。それまで青色の顔料には天然の鉱物が用いられていました。
19世紀前半には日本でも一般的な顔料の一つになりましたが、供給は輸入に頼っていました。

だるま屋歌劇部

『雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた』シアターコクーン・オンレパートリー2009『少女歌劇タイムス』
だるま屋少女歌劇ブロマイド
『雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた』
シアターコクーン・オンレパートリー2009(東急文化村 2009年)
『少女歌劇タイムス』 1935年(昭和10)9月~1936年6月
高田富文書(当館蔵) A0502-00044, 00047, 00048, 00052
「(だるま屋少女歌劇ブロマイド)」 (年未詳)
高田富文書(当館蔵) A0502-00130
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宝塚に代表される少女歌劇団。実は福井にもありました。
「だるま屋少女歌劇部」です。ただ、こちらは「団」ではなく「部」。「だるま屋百貨店」(現在の西武福井店)の一部署でした。
この歌劇部の発案者は百貨店の創業者坪川信一です。歌劇部は次第に演目を増やし、スターも生み出しましたが、1937年(昭和12)、6年目にして日中戦争のため興行ができなくなってしまいました。

その他

『希望学 あしたの向こうに』 東大社研・玄田有史 編敦賀港の埠頭についての歴史的公文書
『希望学 あしたの向こうに』希望の福井、福井の希望
東大社研・玄田有史編(東京大学出版会 2013年)

1984年(昭和59)2月の「地方港湾審議会」の座席表(敦賀港の埠頭についての歴史的公文書)の紹介 。
『月刊ウララ』No.300『慶長御城下絵図』 …タペストリー展示
『月刊ウララ』No.300 (ウララコミュニケーションズ 2013年)
慶長御城下絵図や唐藍の紹介。 貴重書庫の様子、複製本や複製シートについて、文書館の活用についての紹介。
写真は展示室内の「慶長御城下絵図」(複製) 。
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『博物館教育論』 黒沢浩
『博物館教育論』  黒沢浩(講談社 2015年)
当館のウェブサイトが事例として紹介。
展示内容はこちら
その他、TVで放映された文書館資料の一覧をパネル展示しています。

第21回福井県中学生郷土新聞コンクール 優秀作品を展示

平成27年12月18日(金)~平成28年1月20日(水) 文書館閲覧室
福井県中学生郷土新聞コンクール 優秀作品

ポスター

福井県文書館

〒918-8113
福井県福井市下馬町51-11
TEL.0776-33-8890
FAX.0776-33-8891
Mail.bunshokan(at)pref.fukui.lg.jp

開館時間

開館時間  9:00~17:00
休館日   月曜日(祝日の場合は翌日)
      第4木曜日