今月のアーカイブ Archive of the Month

国勢調査 そのむかし

第一回国勢調査のチラシ(福井市)
第1回国勢調査チラシ 加藤竹雄家文書(当館蔵) A0052-01433
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第一回国勢調査ポスター国勢調査ポスター
第1回国勢調査ポスター(福井県版)
桜井市兵衛家文書(当館蔵)  N0055-00742
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今年は5年に一度の国勢調査が実施される年です。1920年(大正9)に最初の国勢調査が実施されてから、今回で20回目となります。
今回の展示では宗門改めや人別改めなど江戸時代のさまざまな地域調査の経過がわかる資料や1920年10月1日の午前零時を期に初めて実施された国勢調査の福井県下でのようすを紹介します。

会期

平成27年4月18日(土)~5月27日(水) 文書館閲覧室

展示ケース1 江戸時代の地域的な取り組み

人口の増減を示す資料

午年人数改村々増減相改帳
「午年人数改村々増減相改帳」
片岡五郎兵衛家文書(当館寄託) A0027-00084
翻刻文
1820年(文政3、辰年)と1822年(午年)の福井藩領合谷組41か村の人口の増減をまとめた資料です。
人別改の結果をもとに作成した資料と考えられ、2年間で人口の増減が全体の10パーセントに達する村もみられました。

再利用された宗門改帳

午年宗門改帳
「午年宗門御改帳」
勝見宗左衛門家文書(当館蔵) B0037-00094
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1762年(宝暦12)に作成された吉田郡上合月村の宗門改帳で、家族構成・年齢・檀那寺などが 書かれています。
朱合点が付された人物は死去や縁付(婚姻)のため次回の宗門改帳から除かれる対象とみられます。

村改帳

丑年高家数男女人馬御改帳
丑年高家数男女人馬御改帳」
松田三左衛門家文書(当館蔵) A0169-00522
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1829年(文政12)、代官交替にともない丹生郡南菅生浦で行われた村改めの結果を 村役人らがまとめた資料です。男女の人数のほか、馬6疋、持山17か所、漁船2艘、 塩釜2軒なども書上げられており、浦の生業をうかがうことができます。

改めのさいの日程調整

宗旨五人組并人別御改伺書
「宗旨五人組并人別御改伺書(石渡半左衛門達)」
飯田広助家文書(当館寄託) G0024-02495
鯖江藩領東俣組の大庄屋彦次兵衛が五人組改め・宗門改め・人別改めの日程を 調整するために鯖江藩に提出した伺書(1)とこれに対し鯖江藩士石渡半左衛門がその内容を了承したことを伝えた達書(2)、およびそれらの包紙(3)です。
宗旨五人組并人別御改伺書 拡大図
この時大庄屋彦次兵衛は37か村を東俣組として統轄していました。
東俣組ではそれらの改めを5日間で行う予定でしたが、村数・人数が多いため6日間かけて行ったことがわかります。

福井藩の人口統計資料

御家中末々迄江戸定府同断町在并寺社府中領人別帳(福井藩人別帳)
「御家中末々迄江戸定府同断町在并寺社府中領人別帳(福井藩人別帳)」
松平文庫(福井県立図書館保管) A0143-20817 
1847年(弘化4)の改めによる福井藩領内の人口統計資料です。
地域別・男女別に武家および家中、領民、寺社の区分で集計されており、当時の領内総人口が17万5521人 (うち武家・家中人口が1万4922人)であることが示されています。

展示ケース2 初期の国勢調査

第1回国勢調査チラシ

国勢調査チラシ(福井県)
「国勢調査広報チラシ」
加藤竹雄家文書(当館蔵) A0052-01432‐001
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福井県が発行した国勢調査広報用のチラシです。(ページトップのチラシは福井市が発行) 調査の目的・方法や調査の意義などがわかりやすく述べられています。

第1回国勢調査記念章

記念章
加藤竹雄家文書(当館蔵) A0052-01405
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第1回国勢調査の翌年、国勢調査の「成績見ル ヘキモノアリ」として勅令第272号により国勢調査記念章が制定され、国勢調査に直接関与した者 などに授与されました。
青銅製で表面には戸籍の巻物を手にした古代の国司立像がデザインされ、裏面には「国勢調査 記念章 大正九年十月一日」と刻まれています。

第2回国勢調査員の集合写真

第2回国勢調査集合写真
伊藤三郎左衛門家文書(当館蔵) I0058-00371
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1925年(大正14)の第2回国勢調査のさいに、大野町(現大野市)の安田写真館が撮影したものです。写っている人々の多くが国勢調査員の記章や第1回国勢調査の記念章をつけています。
福井県の第1回国勢調査員については机上の『日本国勢調査記念録第3巻 福井県』(福井県立歴史博物館所蔵)複製本をご覧ください。

(コラム1)あなたの時計、あってますか? 

時計敦賀では町内のすべての辻に第1回国勢調査の宣伝が掲示されるとともに、時刻合わせのため9月29・30日の午後8時直前に送電がいったん止められ、電灯が再びついた時に時計を合わせました。
また、前日の9月30日には尋常小学校5・6年生による旗行列が行われ、実施時刻の10月1日午前零時には合図のため花火が打ち上げられました。
初の国勢調査でもあり、午前零時ちょうどに全国一斉に調査を実施することに かなりこだわっていたようです。

(コラム2)真夜中の「ドン」

ドン国勢調査前日、福井では夜10時には各劇場や活動写真館の跳ね太鼓(興行の終わりを告げる太鼓)が打たれ、折からの降雨もあって繁華街の栄新地なども全部休業の状態で、駅周辺も閑散とし「頗る静粛」でした。
実施時刻の10月1日午前零時。福井では午砲(「ドン」)を響かせるとともに、これを合図に消灯し、汽笛を鳴らしました。
村部でも午前零時に鐘・太鼓を打ち鳴らしたということです。
コラム(1)(2)出典 「大阪朝日新聞」「福井新聞」(大正9年9月、10月)

(コラム3)福井県の人口は何人?

国勢調査の懸賞の賞品案
「懸賞当選者に対する賞金賞品交付案」
「国勢調査広報宣伝関係綴」 当館蔵 28303
大規模調査にあたる1960年(昭和35)第9回国勢調査では福井県は テレビ・ラジオ・新聞等での広報のほか、調査の趣旨の普及を図る一方法として、県内の協賛各社の協力をえて「予想人口懸賞」募集を行いました。
応募総数は1,226通で県内人口を「752,711人」と回答した人が正解(752,692人)に最も近く、1位となりました。

ピアレス計算機(旧モデル)

ピアレス計算機
総務省統計資料館所蔵
1900年(明治33)にドイツで製造された計算機です。国勢調査に用いられました。

第1回国勢調査記念品(鉄瓶)

第一回国勢調査記念品
総務省統計資料館所蔵(金沢市 桶田浩司氏旧蔵)
記念品として配られた鉄瓶です。ふたの裏に国勢調査記念と彫られています。

第1回国勢調査記念絵はがき

絵はがき
坪田仁兵衛家文書(当館寄託) C0005-02231,02232,02233

ポスター

福井県文書館

〒918-8113
福井県福井市下馬町51-11
TEL.0776-33-8890
FAX.0776-33-8891
Mail.bunshokan(at)pref.fukui.lg.jp

開館時間

開館時間  9:00~17:00
休館日   月曜日(祝日の場合は翌日)
      第4木曜日