今月のアーカイブ Archive of the Month

「むしばまれる資料」

6月9日は未来へ残す記録資料の保存の大切さや文書館の役割を考える「国際アーカイブズの日」です。
ICA(国際文書館評議会)では昨秋、同会が発足した6月9日を「国際アーカイブズの日」(International Archives Day)に制定しました。
ICAは各国の公文書館が相互に連携してその発展に貢献することを目的に、ユネスコの支援を得て昭和23年(1948)に発足した国際非政府機関です。
この日にちなんで、今月は収蔵資料に残っている虫、かび、金属、テープなどの被害やもろくなった酸性紙を展示し、その対処方法、簡単な補修法を紹介しました。

会期

平成20年5月23日(金)~6月25日(水) 文書館閲覧室

虫に喰い荒らされた和本

虫に喰い荒らされた和本

変色しもろくなった酸性紙

変色しもろくなった酸性紙
インクのにじみ止め(サイズ剤)を定着させるため、硫酸アルミニウムを添加した紙を酸性紙といいます。
硫酸アルミニウムは紙や大気中の水分と反応し、紙を構成する繊維(セルロース)を徐々に分解する作用を持っています。そのため、紙によっては100年もたたないうちにボロボロに劣化してしまうものもあります。
酸性紙は戦前・戦後の昭和15~30年頃に多く用いられており、この時期に作成された公文書には、すでに劣化した酸性紙が多く見られます。

和紙を使った修復

繕った虫穴(裏面)綴り穴の補強
比較的小さな痛みを補修する「繕い(つくろい)」という伝統的な方法です。
資料よりやや薄めの和紙を、ぬらした筆でかたどってちぎります(喰い裂き)。これを裏から薄い糊で貼ります。
この方法は酸性紙でもろくなった縁や 綴り穴の補強(写真は喰い裂きにした和紙で穴を挟んであります)、折り切れてしまった地図などの資料の補修にも役立ちます。

ポスター

福井県文書館

〒918-8113
福井県福井市下馬町51-11
TEL.0776-33-8890
FAX.0776-33-8891
Mail.bunshokan(at)pref.fukui.lg.jp

開館時間

開館時間  9:00~17:00
休館日   月曜日(祝日の場合は翌日)
      第4木曜日