Fukui Prefectural Archives

松平文庫テーマ展37

Matsudaira Bunko Theme Exhibition 37

概 要展示内容LINK

Twitterの鉛筆画でよむ松平春嶽のお正月

 幕末の福井藩主松平春嶽については、政治面はもちろんのこと、その日常面を伝える多くの資料が伝わっています。
 文書館ではそれら資料の画像データをデジタルアーカイブ福井で公開し、またくずし字を翻刻(現代の文字に解読)したものをオープンデータとして公開しています。
 本展示では、みなせさん(@ambujam10)が上記データを用いて描いた鉛筆画(Twitterに投稿)とともに、春嶽のお正月の様子が記録された資料を紹介します。

会 期

2021年12月24日(金)~2022年2月16日(水)※終了しました

会 場

福井県文書館閲覧室

展示内容

[13歳]初めての若菜御祝儀
「越前世譜 慶永様御代(3)」

1840年(天保11)「越前世譜 慶永様御代(3)」
松平文庫(当館保管) A0143-01943
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 天保11年(1840)1月7日、初めての江戸城での若菜御祝儀(七草粥)。将軍家慶、次期将軍家定、大御所(前将軍)家斉にお目見えしてご挨拶(「御礼」)、大老や老中にもお目通りしてご挨拶。この日は方々にご挨拶してまわる「御廻勤」の1日でした。

[13歳]初めての若菜御祝儀(PDF:2.94MB)

[20歳]具足餅 飾った具足を着用す
「弘化四丁未歳正月ヨリ同年三月十八日迄 御用日記」

1847年(弘化4)1月1日~3月18日「弘化四丁未歳正月ヨリ同年三月十八日迄 御用日記」
宮崎長円家文書(当館蔵) A0180-00001
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 弘化4年(1847)1月11日は毎年恒例の具足餅。御座所御座之間(藩主の居所)の御床には鎧兜と餅が飾られました。春嶽は本来片づけられるはずの鎧を着用し、家臣たちに「拝見」を命じます。鎧着用の練習の成果を見てほしかったのかもしれません。

[20歳]具足餅 飾った具足を着用す(PDF:3.04MB)

[21歳]具足餅 今年も拝見を命ず
「奉答紀事 上」

1876年(明治9)「奉答紀事 上」
松平文庫(当館保管) A0143-01260
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 嘉永元年(1848)1月11日の具足餅でも春嶽は「お荘り」の鎧を着用し、家臣や奥女中に「見上げ」を命じます。13歳での「具足初め」(初めての鎧着用の儀式)以降、春嶽は日々「御召試」(練習)を繰り返し、迅速かつ暗闇でも着用できるようになっていました。

[21歳]具足餅 今年も拝見を命ず(PDF:3.29MB)

[32歳]謹慎中 こっそり羽根突き
「御側向頭取御用日記(1)」
「御側向頭取御用日記(1)」

1859年(安政6)1月~60年(安政7)12月「御側向頭取御用日記(1)」
松平文庫(当館保管) A0143-00511
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 安政5年(1858)7月に隠居・急度慎を命じられて半年を経た翌年1月25日。昼に親類の福山藩主が届けた「御重御盛合物」と「粕天羅(かすてら)」を勇姫と食べた後、午後2時から御内庭で「つくばね御慰」。厳しい謹慎生活の中、ちょっと息抜きのひとときです。

[32歳]謹慎中 こっそり羽根突き(PDF:2.51MB)

[36歳]「宮仕え」はつらいよ…
「御側向頭取御用日記(6)」
「御側向頭取御用日記(6)」

1863年(文久3)1月~7月「御側向頭取御用日記(6)」
松平文庫(当館保管) A0143-00516
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 前年4月に謹慎解除、7月には幕府の政事総裁職に任じられた春嶽。文久3年(1863)の正月は三が日から毎日登城しています。友人で前土佐藩主の山内容堂は「自分は今から鷹狩りに出かけるけれど、正装で登城とは大変だね」と手紙を送ってきました。

[36歳]「宮仕え」はつらいよ…(PDF:3.69MB)

[36歳]愛する安姫へ 父より
「京華日録 第三号」

1863年(文久3)12月「京華日録 第三号」
松平文庫(当館保管) A0143-02227
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 文久3年(1863)10月来、滞京中の春嶽は、体調を崩した長女の安姫のため、伏見稲荷の御守札と玩具などを福井に送りました。

[37歳]愛する安姫へ 父より
「御側向頭取御用日記(8)」
「御側向頭取御用日記(8)」

1864年(元治1)1月~7月「御側向頭取御用日記(8)」
松平文庫(当館保管) A0143-00518
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 文久4年(1864)のお正月を京で迎えた春嶽は、5日、国許にいる安姫のために「手まる(鞠)二ツ」と「反物」を送っています。

[37歳]愛する安姫へ 父より(PDF:2.33MB)

[37歳]なくてはならない人なんです!
「続再夢紀事 八(元治1年1月~2月)」

1892年(明治25)「続再夢紀事 八(元治1年1月~2月)」
松平文庫(当館保管) A0143-01236
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 文久3年(1863)大晦日に「朝議参預」(朝廷の評議に参加)に任じられた春嶽が、年明け8日に参内すると、山内容堂の参預辞退願いが問題に。有志諸侯の結集による会議の舵取役に容堂は欠かせないと考えた春嶽は、この願いを認めないよう主張します。

[37歳]なくてはならない人なんです!(PDF:2.53MB)

[38歳]家臣に御手酌/安姫に御年玉
「御側向頭取御用日記(10)」

1865年(慶応1)1月~7月「御側向頭取御用日記(10)」
松平文庫(当館保管) A0143-00520
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 慶応元年(1865)の正月は福井で過ごしました。元日午前中はおよそ3時間、御座之間で家臣たちから年頭の挨拶を受けます。正午からは大奥で家族と過ごします。お年玉交換も例年通り。安姫に渡した「御手遊び物十」はどんなものだったのでしょう。

[38歳]家臣に御手酌/安姫に御年玉(PDF:2.69MB)