新型コロナウイルス感染症の流行にともない、にわかに脚光を浴びる妖怪「アマビヱ」。予言する妖怪「アマビコ」の一種とみられていますが、福井県にも江戸時代のアマビコ資料が3種伝来しています。
ここでは、足羽郡の豪農が書き写した天保15年(1845)の「海彦(アマヒコ)」を展示し、アマビヱや他のアマビコとの違いに注目します。
2020年8月2日(日)~ ※終了しました
「肥後国海中の怪(複製)」弘化3年(1847)
原本:京都大学附属図書館蔵
アマビヱを描いた唯一の資料。字・図とも彫りは稚拙で、都市部で販売された「かわら版」の特徴を備えています。
諸国豊作と病気流行を予言し、自身の姿を書き写せ、と述べています。
しかし、写して広めるとどうなるか、その効能までは明らかにされていません。
『広文庫 第一冊』 広文庫刊行会 大正5年(1916)
福井県立図書館蔵
大正時代の百科事典『広文庫(こうぶんこ)』に「あまびこ」が立項され、天保14年(1844)の資料が引用されています。
すでに確認されている4例とともに最も古いアマビコと言えます。
「怪鳥」とあるように、鳥のようなくちばしを持つ3本足の姿に描かれています。
「越前国主記」
福井県立図書館蔵
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足羽郡種池村(福井市)の豪農坪川家で転写されたアマビコ。
天保15年(1845)の年紀がありますが、転写時期はわかっていません。
同家の人は筆まめで多くの転写行為を行っているため、「絵姿を見た者は死を逃れられる」の文言を盲信したとは限りません。
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福井県福井市下馬町51-11
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開館時間:9:00~17:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、第4木曜日