今月のアーカイブ Archive of the Month

すごろく展

今年度、当館へ坪田仁兵衛家から明治・大正時代を中心とする多数のすごろくが寄託されました。
その中の一つ「福井県実業家案内すご録」は輸出向け羽二重織物業が躍進していた明治後半の県下の有力実業家を紹介したものです。
ほかにも、今でも変わらず楽しめる子ども向けのすごろくから、 戦争での勝利を願うもの、現代とは全く異なる女性のあるべき姿を説くものまで、幅広いジャンルのすごろくをお楽しみください。

会期

平成21年11月27日(金)~平成22年1月27日(水) 文書館閲覧室

ふくいのゆるキャラとすごろく対決

ふくりゅう君とふっくりんちゃん 「待ってるよ!」
平成22年1月9日(土)11:00~ 14:00~
福井県文書館研修室 参加無料
先着20名にはすごろくをプレゼント!

世界一周すごろく

家庭教育 世界一周すごろく
「家庭教育 世界一周すごろく」 1926年(大正15)
坪田仁兵衛家文書(当館寄託) C0005-01234
『大阪毎日新聞』の元日の附録。日本をふりだしに北アメリカやヨーロッパを経由してロンドンに向かい、その後、再び日本に帰ってきます。
世界各国の都市をまわりながら、歴史や文化を学ぶことができる構成になっており、 まわりにならぶ国旗も見る人を楽しませてくれます。 

少年歴史地理双六

少年歴史地理双六
「少年歴史地理双六」 1910年
坪田仁兵衛家文書(当館寄託) C0005-01221
『少年世界』新年号付録。ふりだしは東京で鉄道唱歌の一節が書かれ、宮城(皇居)があがりとなっています。途中には当時の歴史・地理の教科書にみられる地名と事件(主として戦い)、 関連する人物が描かれており、教育的な色彩を帯びています。
「神戸」(楠木正成)・「船上山」(名和長年)・「福井」(新田義貞)など、南朝方に属した武士が取り上げられる一方、 足利尊氏は取り上げられないなど当時の南朝を正統とする見方がうかがえます。

少女思ひ出すごろく

少女思ひ出すごろく
「少女思ひ出すごろく」 1913年
坪田仁兵衛家文書(当館寄託)C0005-01225
『少女世界』新年号付録。ふりだしの「お人形」からあがりの「大正の春」まで、上流階級に育った令嬢の幼児期からの思い出を描いています。
「球あそび」(テニス)、「昔の友」(ひな祭り)など、当時の上流階級の様子がうかがわれます。
なお、発案者「小波」は児童文学者の巌谷小波(1870-1933)です。多くの雑誌で主筆として活躍し、多数の童話を発表するとともに、民話の普及にも貢献しました。

開国五十年双六

開国五十年双六
「開国五十年双六」 1908年
坪田仁兵衛家文書(当館寄託) C0005-01218
『少年世界』新年号附録。1853年(嘉永6)のペリー来航にはじまり、幕末の動乱を経て明治維新、日清・日露戦争という苦難を乗り越えた末にわが国が近代国家として確固たる地位を築いていった過程をたどっています。
途中には。上のように松平慶永・橋本左内らが処罰された(1)安政の大獄も入っています。このマスは「戻り」となっていることから、このできごとによってわが国が近代国家への歩みから一歩後退した、と認識されていたことがうかがわれます。

子どもたちの正月遊び

12月25日(金)~1月27日(水) 原本展示
『帝都復興少女双六』 1923年(大正12)12月5日 雑誌『少女』付録
勝見宗左衛門家文書(当館蔵) B0037-00658
デジタルアーカイブはこちら
関東大震災から間もない時期に発行された雑誌『少女』復興記念号付録。
「地震」・「洪水」・「空の恐怖(敵国飛行機襲来)」・「火事」をふりだしに 新しい科学の力によって復興をとげた帝都(東京)の姿が上りとなっています。
『勇壮大激戦絵巻双六』 1938年(昭和13)1月1日
『せうがく(小学)3年生』付録
坪田仁兵衛家文書(当館寄託) C0005-01231
日清戦争の黄海の戦いをふりだしに、日露戦争での日本海海戦、第一次世界大戦での青島攻撃、満州事変、上海事変を経て昭和12年から始まる日中戦争に至るまでを描いた双六。
『家庭教育 世界一周すごろく』 大正15年(1926)1月1日
『大阪毎日新聞』付録
坪田仁兵衛家文書(当館寄託) C0005-01234
『火星国探険競争双六』 昭和2年(1927)1月1日
『少年倶楽部』付録
飯田広助家文書(当館寄託)G0024

ふくいの実業家すごろく

11月27日(金)~12月23日(休) 原本展示
「福井県実業家案内すご録」
「福井県実業家案内すご録」 1904年(明治37)1月1日
『北陸朝報』第565号附録 坪田仁兵衛家文書C0005-01237
拡大版はこちら(JPEG:1.1MB)
福井県下の商店や会社203か所を絵入りで紹介したすごろくです。
この時期、県下は嶺北地方を中心に輸出向け羽二重織物の全国有数の産地であり、羽二重は生糸・綿糸につぐ日本の外貨獲得商品でした。
角野回漕部(敦賀)金波楼(鯖江)堀越商会福井出張所(福井)
メーソン商会(福井)黒川練工場(福井)
勝木写真館(福井)山田屋呉服店(福井)
大岡運送店・万司大岡商店・毛利電話取扱所
長清商店(敦賀)野村九左衛門(福井)
九十二銀行(福井)
百三十銀行福井支店(福井)

「福井県実業家案内すご録」掲載された商店・会社等

右下のふりだしから始まり、右回りに上りまでの配列で掲載。
右下のふりだしから始まり、右回りに上りまでの配列で掲載。

下絵は、あの菱川師福?!

すごろくの予告
すごろくの予告 『北陸朝報』 1903年11月13日
橋本茂兵衛家文書 C0033-00021
現在確認されている『北陸朝報』はわずかに2日分のみですが、幸いなことにそのなかにすごろくの予告記事がありました。
この記事によれば、紙面2枚大の光沢紙に石版5度刷で印刷し、下絵は当時すでに地元でその名が知られていた菱川師福(1845-1941)(「馬威図屏風」などで知られる福井市在住の絵師)に依頼する予定であると書かれています。
掲載料は2寸(約6cm)四方で10円、デザインは希望に応じるとされ、「愛読諸君の喝采を博する丈の成算既に定まり居れる」「斯る最良の広告を冷眼に看過せらるゝ実業家は二十世紀の実業家たる資格無き者也」と言い放っていました。
申込所に名を連ねた毛利政八郎は、すごろくの左下欄外の企画者3人のうちの1人であり、福井市佐佳枝下町の毛利薬舗の縁者と思われます。
企画者のうち大村百蔵(紀山)は『北陸朝報』の主筆でした。
この他、越前市粟田部地区の店舗を紹介した「繁昌商店双六」1935年、越前市街の店舗を掲載した 「福壽繁栄すごろく」1937年(いずれも福井県立歴史博物館蔵) を展示。

パンフレット

ポスター

福井県文書館

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開館時間

開館時間  9:00~17:00
休館日   月曜日(祝日の場合は翌日)
      第4木曜日