今月のアーカイブ Archive of the Month

江戸時代の村から近代の村へ

県文書館で閲覧できる古文書の大半は、いわゆる地方(じかた)文書、村方文書です。これらは近世初期の総検地によって土地と農民を編成しなおした江戸時代の村で作成され蓄積されてきたものです。さらに明治維新以降、戸長役場や集落の文書を加えて今日に伝えられています。
ここでは、江戸時代の越前・若狭の支配領域と現在の市町村域を比較できるようパネルで示すとともに、典型的な文書資料として、領知判物写、町村制施行時の絵図、町村合併促進法時の福井県庁文書(いずれも原寸大、複製)を展示しました。
この他、閲覧室内に備えた複製本8点(原寸大、カラー)はご自由に手にとってご覧いただけます。

パネル画像 全体

1645年(正保2)拡大図:JPEG(311KB)

1764年(明和1)拡大図:JPEG(351KB)

1764年(明和1)村名入拡大図:GIF(760KB)

1889年(明治22)拡大図:JPEG(382KB)

近世の村むらは、幕府や大名あるいは旗本などの支配を受けていた。江戸時代の初め、越前は結城氏、若狭は京極氏に与えられたが、越前では1623年(元和9)の松平忠直の処分や、1686年(貞享3)の福井松平氏の領地半減などを契機に、支配領域は大きく変化した。
いっぽう若狭では、1634年(寛永11)に酒井氏が小浜に入ったが、支配領域に変化はなかった。
ここでは、支配領域が最も大きく変化した1686年以前の状況と、その変化が一段落した段階の状況を村ごとに示した。
近代にはいると、中央集権化を進める明治政府は、1889年(明治22)に市制、町村制を施行し、「有力町村」のスローガンのもとに近世からの町村を合併し、新しい行政町村を組織した。
ここでは、県下の250町1,741村が、1市9町168村となった状況を、現在の市町村域に重ねて示した。

 「徳川家綱領知判物写」1664年(寛文4) 酒井家文庫 小浜市立図書館蔵

「徳川家綱領知判物写」1664年(寛文4)酒井家文庫 小浜市立図書館蔵

1664年(寛文4)4月5日、四代将軍徳川家綱が小浜藩主酒井忠直に与えた領知の宛行状である。
これによって小浜藩の領知高と支配する村が改めて確認された。幕府はこの日付で全国ほとんどすべての大名に領知を安堵する朱印状を発給したが、十万石をこえる大名にはこのように将軍の花押を据えた判物が渡され、以後宛行状の交付はこれを模範とした。
この判物は写であるが、表には本文天地の余白部分や花押・宛名の位置と高さ、裏にたて・よこの寸法を注記し、原本の内容と記載様式を忠実に伝えている。
なお、本文に「目録在別紙」とあるように,別に村名を記した領知目録が添えられていた。

「吉田郡絵図」(1889年頃) 小沢藤兵衛家 県立博物館寄託

拡大図:JPEG(322KB)

「吉田郡絵図」(1889年頃) 小沢藤兵衛家 県立博物館寄託 

町村合併促進法下の県公文書 福井県蔵1町村合併促進法下の県公文書 福井県蔵2町村合併促進法下の県公文書 福井県蔵3

町村合併促進法下の県公文書 福井県蔵

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