近年、刀剣が大きなブームとなっています。このブームのきっかけの一つは刀剣を題材としたオンラインゲームです。
このゲームに登場する刀剣の一つで、非常に高い人気を誇るのが「小狐丸」です。
江戸時代、小狐丸が越前領内に所在するという噂があり、江戸幕府の命令で福井藩が小狐丸を探した結果、それらしき刀剣が発見されました。
また、明治時代に入り、松平春嶽(慶永)と小狐丸をめぐるエピソードも残っています。
本展示では、福井と小狐丸のゆかりを示す松平文庫の資料を紹介します。
2020年12月25日(金)~2021年2月23日(火・祝)※終了しました
福井県文書館閲覧室
1719年(享保4)「越前世譜 吉邦様御代 七(33)」
A0143-01831 松平文庫(当館保管)
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1719年(享保4)に8 代将軍徳川吉宗によって実施された全国的な刀工調査の記録が残されています。
「世譜」は福井藩の公式の歴史書の一つである「家譜」の草稿です。「吉邦様御代」では8代藩主松平吉邦の時代を扱っています。
1720年(享保5)~21年(享保6)「越前世譜 吉邦様御代 八(34)」
A0143-01832 松平文庫(当館保管)
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1720年(享保5)2月、江戸幕府は福井藩に対し、「小狐丸」という刀が藩内に存在するかどうか、くまなく調査するよう命じています。
その後、安波賀春日神社(福井市)から「小狐丸影」という刀が発見されました。
1901年(明治34)「越前国名蹟考 足羽郡」
N0055-00903 桜井市兵衛家文書(当館蔵)
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『越前国名蹟考』では、福井藩の調査において安波賀春日神社で「小狐丸影」がみつかったと記録されています。
「影」とは影打ちを指し、「真打ち」ではないと思われます(通常、刀工は「真打ち」を依頼主へ納め、「影打ち」は手元に残します)。
1816年(文化13)「越前国古今名蹟考 六 足羽郡下」
A0143-21215-008 松平文庫(当館保管)
『越前国古今名蹟考』は福井藩士井上翼章が編さんした越前国の地誌です。
享保期に「小狐丸影」がみつかった安波賀春日神社(福井市)についての由緒が記述されています。また、境内の様子も絵で描かれています。
1846年(弘化3)「国事叢記 五(正徳1~享保5)」
A0143-01188 松平文庫(当館保管)
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1720年(享保5)4月16日、福井藩の調査で発見された「小狐丸」の件で安波賀神主吉田宮内と御徒原田与二右衛門が江戸へ派遣されていることが記録されています。
『国事叢記』は福井藩士田川清介が編さんした福井藩の歴史書の一つです。
年月日未詳「正二位慶永公御著述真雪草紙」
A0143-21554 松平文庫(当館保管)
『真雪草紙』は、松平春嶽(慶永)が越前に伝わる故事逸話を集録したものです。
1877年(明治10)、春嶽の仲介によって安波賀春日神社に保管されていた「小狐丸影」が九条家に買い取られた際のエピソードが収録されています。
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開館時間:9:00~17:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、第4木曜日