「ふくいの養蚕」 -蚕業試験場等を中心に-
かつて「羽二重王国」と称されたように、羽二重など絹織物業が福井県の発展を支えた主要産業でした。その絹織物は生糸を織ったもの、生糸は繭から作られました。そして蚕を飼って繭を生産するのが養蚕です。
養蚕業を発展させるため、蚕種の製造および試験研究のため設置された県原蚕種製造所や蚕業試験場の取り組みを、当時の県の公文書等でふり返ります。
会期
平成21年10月23日(金)~11月25日(水) 文書館閲覧室
『福井県蚕糸業沿革略史』 大正時代
大上範男家文書 J0125-00002
福井県内における養蚕業や製糸業の沿革を上古時代から順に明治時代まで記しています。なお、『福井県蚕糸業沿革史』(大正6年刊行、大日本蚕糸会福井支会)の沿革の部分と内容が酷似しています。
『養蚕用飼育器使用状況』
農業試験場移管文書(当館蔵)
蚕は餌としての桑を食べながら脱皮を重ねて大きくなり、最後に繭を作ってその中でサナギとなります。 写真は、五齢と呼ばれる繭を作る直前の段階(左)です。
「福井県原蚕種製造所桑園」大正5年(1916)
農業試験場移管文書(当館蔵)
福井県原蚕種製造所の桑園。写真の裏には、「大正五年四月植付、仝年十月十九日撮影」とあることから、円山西村(現福井市)にあった松本桑園です。
「甘楽桑」という品種が人の背を大きく超えて成長しています。
ポスター