Fukui Prefectural Archives

3館連携ミニ展示

Collaborative Mini Exhibition

概 要展示内容LINK

「鉄道開業150年記念!広報写真でみるふくいのSL」

 2022年(令和4)は1872年(明治5)10月14日に新橋~横浜間に鉄道が開業してから150年になります。
 この展示では鉄道開業150周年を記念し、福井県の広報写真の中から、世代を超えて愛される蒸気機関車(SL)に関する写真をご紹介します。

会 期

2022年9月6日(火)~2022年10月26日(水) ※終了しました。

会 場

福井県文書館閲覧室

展示内容

1 お召し列車 in ふくい
「行幸15 お召し列車(88635)、福井駅」

「行幸15 お召し列車(88635)、福井駅」 87242 福井県(広報)
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 お召し列車とは天皇・皇后の行幸啓に際して運行される特別列車です。1968年(昭和43)10 月1日、第23回福井国体が幕を開けました。翌2日、大野で記念植樹祭に臨席された昭和天皇・香淳皇后を福井へお送りするため、越前大野-福井間でお召し列車が運行されました。

2 無限列車のモデル
「行幸31 松文産業株式会社、お召し列車(88635)」

「行幸31 松文産業株式会社、お召し列車(88635)」 87259 福井県(広報)
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 福井国体でのお召し列車を牽引した8620形蒸気機関車は、1914年(大正3)に誕生した蒸気機関車です。日本で最初の量産タイプの旅客用蒸気機関車で、福井県では主に急勾配の多い越美北線で活躍しました。また、同機関車は大人気漫画『鬼滅の刃』に登場する「無限列車」のモデルとされています。

3 お召し列車 in わかさ
「行幸91 高浜駅周辺、ハンドボール競技場(高浜町立高浜小学校グラウンド)」

「行幸91 高浜駅周辺、ハンドボール競技場(高浜町立高浜小学校グラウンド)」
87320 福井県(広報)
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 福井国体では若狭高浜-東舞鶴間でもお召し列車が運行されました。列車を牽引したのは、当時小浜線を走っていたC58形蒸気機関車です。同機関車は1938年(昭和13)から製造され、小浜線のようなローカル線で活躍しました。この機関車は引退後に小浜市が譲り受け、現在は小浜市中央公園で静態保存されています。

4 SLと記念撮影
「行幸109 ハンドボール競技場(高浜町立高浜小学校グランド)周辺、お召し列車(C58171)」

「行幸109 ハンドボール競技場(高浜町立高浜小学校グランド)周辺、お召し列車(C58171)」
87337 福井県(広報)
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 菊のヘッドマークと国旗をつけたC58形蒸気機関車の前で、お召し列車の乗務員たちが記念撮影をしています。その後ろでは、黄色いヘルメットを被った整備士たちが蒸気機関車の点検を行っています。当時、お召し列車の運行に合わせて機関車は工場で徹底的に整備され、車体はピカピカに磨き上げられたといいます。

5 運動公園のSL
「D51型(D51形)蒸気機関車」

1971年(昭和46)11月1日「D51型(D51形)蒸気機関車」 65504 福井県(広報)
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 福井少年運動公園(こどもの国)は次代を担うこどもの健全な成長を願い、自然の中での冒険や遊びを通して、体力づくりと豊かな情操を養うことを目的とした総合公園です。ここにはD51形蒸気機関車が静態保存されています。この機関車は福井機関区で活躍していた機関車で、引退後に同公園へ運ばれてきました。

6 トレーラーへ積み込み
「D51型(D51形)蒸気機関車」

1971年(昭和46)10月20日「D51型(D51形)蒸気機関車」 65470 福井県(広報)
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 D51形蒸気機関車を公園へ輸送するために、南福井駅(福井市)でトレーラーに積み込んでいる様子です。このトレーラーは当時、日本に2台しかなかった150 トンガータ式トレーラーです。同機関車の重さは約125トン、全長は約20メートル。橋や道のカーブ部分では道路を鉄板で補強しながら運びました。

7 道路を走ったSL
「D51型(D51形)蒸気機関車」

1971年(昭和46)10月21日「D51型(D51形)蒸気機関車」 65472 福井県(広報)
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 10月21日午前0時~6時、車の少ない夜間に機関車の運搬を実施しました。当時の記録によれば、道路や橋が重量に耐えられるかどうかを事前に調査し、分刻みのスケジュールを作成していました。トレーラーは2台のパトカーに先導され、約6.8キロの道のりを5時間かけて公園に到着しました。

8 公園でも青空の下で
「D51型(D51形)蒸気機関車 子供の国(こどもの国)」

1971年(昭和46)10月21日「D51型(D51形)蒸気機関車 子供の国(こどもの国)」
65471 福井県(広報)
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 運動公園に到着した機関車はトレーラーから降ろされて、展示される場所まで運ばれていきます。クレーン車を使って、機関車を展示用の線路の上に乗せていきます。現在は機関車の上に屋根がありますが、青空の下で走行してきた機関車のイメージを残すために、当時は屋根がありませんでした。

9 わかさで再びSLが走った
「SLわかさ号運転出発式敦賀」

1981年(昭和56)8月25日「SLわかさ号運転出発式敦賀」 70708 福井県(広報)
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 福井県の置県100周年を記念して、1981年(昭和56)8月下旬、「SLわかさ号」が小浜線で運行されました。1週間限定でしたが、敦賀-小浜間をC56形蒸気機関車が客車を牽引して走りました。この時列車を牽引した機関車は現在も京都鉄道博物館(京都市)で動態保存されており、「SLスチーム号」として活躍しています。

10 いざ、出発!
「SLわかさ号運転」

1981年(昭和56)8月25日「SLわかさ号運転」 70704 福井県(広報)
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 1981年(昭和56)8月25日午後、小浜駅(小浜市)で関係者が出席して出発式が行われました。『福井新聞』によれば、敦賀行きの列車には396人(定員424人)が乗車したそうです。写真をよく見ると、機関車の前にもテープが張られていて、まるで機関車もテープカットに参加しているように見えます。

11 緑の中のSL
「SLわかさ号運転」

1981年(昭和56)8月25日「SLわかさ号運転」 70715 福井県(広報)
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 のどかな田園地帯を煙を上げて疾走する「SLわかさ号」の写真です。敦賀-小浜間は約50キロ。途中で美浜や上中など4駅に停車、終点まで1時間22分の旅でした。列車の姿を写真に残そうと、上り坂や鉄橋、踏切や沿線に県内外から多くの人々がカメラを持って駆けつけたといいます。

12 ただいま給水中
「SLわかさ号運転」

1981年(昭和56)8月25・26日「SLわかさ号運転」 70709 福井県(広報)
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 機関車に水を補給している作業の写真です。小浜駅の上りのホームには給水塔が設置されており、蒸気機関車が活躍していた頃は機関車に水を供給する役割を担っていました。このレンガ造りのレトロな給水塔が建てられたのは1921 年(大正10)。現在も小浜駅に良好な状態で残されています。