Fukui Prefectural Archives

平成30年度7月 ミニ展示

Mini Exhibition

概 要展示内容LINK

「震禍に屈せず-福井地震を伝えた新聞-」

 昭和23年6月28日に発生した福井地震から70年目の節目の年となります。当時の様子を伝える新聞や写真から、その惨状を再確認し、もう一度防災について考える機会としましょう。

会 期

2018年(平成30)6月29日(金)~7月16日(月・祝) ※終了しました

会 場

福井県文書館閲覧室

展示内容

見よ この福井市の惨
「福井新聞 1-2面 16659号」

1948年(昭和23) 「福井新聞 1-2面 16659号」

福井新聞社文書(当館蔵) A0178-00075

 7月1日の福井新聞1面です。福井市街中央部の写真を大きく配置し、地震の惨状がいまだ覚めやらぬ状況が伺えます。同時に救援状況も報じており、国道が石川・富山・新潟からの救援トラックに埋め尽くされている状況を驚嘆とともにも伝えています。
 このとき福井新聞社そのものも甚大な被害を受けています。本社および工場などの新聞発行に必要な設備も失われてしまったため、石川県の北国(ほっこく)毎日新聞社(現北国新聞社)に代行印刷を依頼し、発行を継続しました。随所に石川県関連の記述があるのはそのためです。 (例:コラムが越山若水ではなく無門関(むもんかん)、石川県内企業の広告掲載など)

「震禍に屈せず“わが町の復興”へ」
「毎日新聞 1-2面 23461号」

1948年(昭和23) 「毎日新聞 1-2面 23461号」

福井新聞社文書(当館蔵) A0178-00082

 7月1日の毎日新聞2面です。中央紙も福井地震を大きく取り扱っています。即製住宅(現在でいうならば仮設住宅)の建設や、救護品の急送、各地で行われる募金の様子など今後の復興を見据えた記事が中心となっています。

白山噴火とは無関係
「福井郷土通信(震災関係「福井地方大地震 震央地帯は百パーセント全壊」

1948年(昭和23)
 「福井郷土通信(震災関係「福井地方大地震 震央地帯は百パーセント全壊」「濃尾地震以来の激しさ 白山噴火とは無関係 地震と郷土(上)」「我等に教ゆる建築と地震」)」

増田公輔家文書(当館蔵) J0116-00162

 「福井郷土通信」は、大阪朝日新聞の勝山支局通信員をしていた宇野博により1931年(昭和6)12月に創刊された郷土紙です(原題は勝山朝日新聞)。全国の勝山出身者に対し郷土の情報を伝えることを主目的として発行されました。
 資料は、地震からほぼ一月が経過した7月 30日に発行されたものです。勝山視点での地震に対しての記述が多く「勝山でも強震ではあったがまさか震源が福井丸岡方面とは思わなかったこと」、「強震のわりに勝山・大野では被害が小さかったのは僥倖だが、震災地に対して関心を持つべきこと」、「地震と白山噴火との関係性」などについて論及されています。