3 町村合併(2)
          小浜市への関係町村要望書
           ▲小浜市への関係町村要望書
           1951年(昭和26)3月30日の小浜市制施行の前日、合併関係8町村の連名で「関係町村の住民より熱望された
           要望事項」の実現を求める申入書が提出された。旧町村で計画または着工をみていた事業数は合計で75件に
           達し、それらの新市での継続実施を要求している。現在、そのほとんどの事業が実現している。    小浜市蔵
岐阜県白鳥町石徹白
▲岐阜県白鳥町石徹白
◆石徹白村の越県合併
 県の試案によれば、上穴馬村・下穴馬村・石徹白村の3村の合併が進められることになっていた。石徹白村では冬期交通の悪条件などを理由に独立残存を主張したが、県は1956年9月末の合併促進法の失効期日に上穴馬・下穴馬両村の合併を先行させて和泉村を設置することとした。
 こうした県の姿勢は、石徹白村民の県に対する感情を悪化させた。もともと石徹白村は旧郡上藩に属し、県境桧峠を越えた岐阜県側との交流が深かった。そのため、白鳥町からの積極的な働きかけもあり、村の実力者である山持ちたちを中心に、村内の意見は急速に越県合併へと傾いた。福井県は、石徹白村の独立残存を認める方向へ転換し、羽根盛一知事を先頭として県内残留の説得に努めたが、結局58年8月の閣議で、三面・小谷堂の2集落をのぞく全村を岐阜県白鳥町に編入させるという自治庁の裁定が了承されることになった。

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