10 九頭竜川の改修工事(1)
 九頭竜川は、日野川・足羽川などの支流を集め、三国港で日本海に注ぐ県下第一の河川です。古くは「崩れ川」ともよばれた暴れ川で、福井県が置かれた1881年(明治14)以降でも、1881、85、88、95、96、99年と、流域に大水害をもたらしました。

 当時の堤防は低くて必ずしも連続せず、堤防のないところもありました。これは、洪水時に耕地に水を氾濫させることで水勢を弱め、被害を少なくするという消極的な治水法がとられていたからです。このため、傾斜の緩やかな下流域は、氾濫した水が容易に引かないことから、作物の冠水被害に苦しむのが常でした。
  改修後の九頭竜川堤防(1909年)
  ▲改修後の九頭竜川堤防(1909年) 『行啓記念写真帖』      福井市立郷土歴史博物館蔵
「九頭竜川之図」(中角〜布施田)1
「九頭竜川之図」(中角〜布施田)2
▲「九頭竜川之図」(中角〜布施田)
連続堤防が築かれていない改修前のようすがわかる。                            松平文庫 松平宗紀氏蔵 福井県立図書館保管

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