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 第二章 日清・日露戦争と県民
   第二節 政党・政派と選挙
     二 県会の趨勢と総選挙
      小選挙区制下の総選挙
 明治二十五年(一八九二)二月の第二回から三十一年八月の第六回までの総選挙は小選挙区制のもとで実施され、県下四選挙区でそれぞれ一つの議席を争い激しい角逐が展開された。そしてその結果は表82に見るとおりである。これらの選挙では、すでに第一回の場合にみられたように、各選挙区内の郡市を単位とした対立提携が行われ、各郡市単位でまた時に郡市連合で、有力者による候補者予選のための集会がもたれ、予選された候補者のために町村単位の集票行動が行われた。県会議員・郡会議員・市町村長クラスの地域有力者を、いかに多く集めるかが選挙の勝敗を決めた。各選挙区ごとに若干の政策が争点として提示され、また政党の主義主張が問題視されたが、それらはむしろ副次的な問題に終わり、地域における人脈関係を中心に選挙が展開されたのであった。以下各選挙区の選挙の実態をみてみよう。

表82 衆議院議員総選挙結果(第2〜6回)

表82 衆議院議員総選挙結果(第2〜6回)



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