目次へ  前ページへ  次ページへ


 第五章 宗教と文化
   第四節 文化の諸相
     四 村と町の年中行事
      四月・五月の行事
 五日は村の白山宮の春祭で村人全員の休み日、米飯を食べるなど普段とは違ったご馳走が出された。十五日は城下の山王権現の祭礼。十七日の火祭は火事を予防するための祭礼で、安永四年(一七七五)、同十年の大火を契機に始められた。
 雪解けと同時に始まる、肥出し・肥まきなどの野良仕事は、四月に入ると本格化し、畦切り・田起し・畦塗り・田拵え・菜種刈・田植と続く。野良仕事の合間をぬって山草刈や杪取りなどの山仕事もあった。五月五日は端午の節句で、この日は丸一日休み、前日作った粽を食べ日頃の疲れを癒した。五月中旬までにはどの農家も田植を終えた。半夏生は農作業の一つの節目で、丸一日休み、家来・雇人ともに夜は主人宅に呼ばれ、酒も出されご馳走を振る舞われた。半夏生を過ぎると田草取りが始まり、畔刈などもあるが、用水を管理することが最大の仕事になっていく。



目次へ  前ページへ  次ページへ