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 第五章 宗教と文化
   第一節 越前・若狭の寺社
    四 越前・若狭の寺社
      敦賀郡の寺院
 敦賀郡には曹洞宗・浄土宗・真宗の寺院が多い。曹洞宗では能登永光寺末の今浜永建寺が近世になっても積極的に教線を延ばし、延宝年間(一六七三〜八一)同寺は打它氏菩提寺の泉村永厳寺をはじめとする一二の末寺・末庵を郡内にもち、中後期にはその数は二九に増加していた(永建寺文書)。永建寺のほか丹波円通寺末の敦賀丁持町永賞寺などを中心として曹洞宗寺院は郡内寺院の三分の一を占めていた。また浄土宗では京都清浄華院末の敦賀御影堂前町  善妙寺や、元京都清浄華院末で京都金戒光明寺末の原西福寺が教線を延ばし、郡内に浄土宗寺院は多くかつ平均的に分布していた。真宗東西両派の寺院・道場はおもに郡東部、とくに南条郡に通じる街道付近の村々にみられ(「敦賀一目鏡」)、その分布には特徴があった。また敦賀町ではとくに、京都本能寺・尼崎本興寺を両本寺とする本勝寺、京都妙蓮寺末の本妙寺、京都妙顕寺末の妙顕寺の法華宗三か寺が多くの塔頭を擁して栄え(「指掌録」)、おもに富裕な商人・町人の信仰を集めていた。<表125 文化(1804〜18)頃の宗派別寺院数>



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