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 第四章 都市と交通の発達
   第三節 街道と宿駅
    二 若狭街道と西近江路
      駄別札にみる物資
 大津方面へ登る上り荷に課せられた通行税を駄別銀と呼び、小浜藩において銀高の最大の小物成であった。駄別銀は荷馬一駄につき米二升を問屋より駄別札一枚と引換えに荷主が藩に支払った。問屋は荷主から乗懸一匹に札一枚半に当たる米三升と、庭米二升二合五勺を受け取った。
 寛文六年二月の「万荷物并材木ニ道口御札懸り申覚」(「寛文雑記」)には、駄別札一枚についての品目と数量が次のように定められている。札一枚は二間角二本・菜種油二本・荏等油草二本、草槙板三枚、馬篭(鱈・鰈・鱒・鮭)二篭、塩鱈三篭・塩鯖三篭、塩小鯛四樽・塩鰺四樽などである。これらの材木や四十物・油類などは西近江への路を経て運ばれた物資であった。その他、紅花・青苧・麻苧布・絹・綿・紫根・黄連・砥石・鉛などの荷物が道ノ口を通過した。



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