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 第四章 都市と交通の発達
   第二節 湊町敦賀と小浜
    二 湊町小浜の繁栄
      小浜で取り扱われた荷物
 小浜湊に入った荷物については、まとまった史料がないので多くはわからないが、十七世紀後半のものと思われる「駄持之覚」(熊川区有文書)によって当時熊川を通った荷物の一部がわかるので、それを書き出してみると、越後・宮津・田辺・峰山・豊岡・出石の蔵米、鰈・あご・干鰺・干鱈・鱈・外字・能登鰯・能登鯖・小鯛・鰯・鱒・鰤・外字・干鮭・数子・鱶・鰊・昆布などの海産物、その他に煙草・厚紙・にこき・半紙・油粕・木地・播・すほん・杉すほん・鹿科板・角物・紅花・青苧・油・胡麻・種からし・ころび・木のみ・鉄というような荷物がみられる。
 また『稚狭考』には、諸藩からの米のほかに、佐渡・能登・越中・出雲からの商人米、松前の諸物、筑前の磁物、出雲・但馬の鉄、播磨の塩、南部・津軽の材木、出雲・石見・因幡・但馬・丹後・能登・佐渡・越後・越中・越前等の四十物などがあげられており、ほぼ敦賀と同種の荷物が入っていたことがわかる。
写真138 若狭鰈(「諸国名所百景」)

写真138 若狭鰈(「諸国名所百景」)




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