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 第四章 都市と交通の発達
   第一節 城下町とその構成
    二 町役人と町政
      正月から三月
 正月は五日に十人頭の引継ぎと当年の十人頭による火事道具割替をした。七日には領主本多氏が福井から帰るのを出迎えた。十一日から左儀長の仕立を始め、十二日に十人頭の寄合いで左儀長の宿を決めて、祝儀などを集め、左儀長当日の十四日には出役した。十七日には大黒町の日待で、十人頭を同道して総社へ詣でた。十八日朝に日待料を集め、十人頭を寄せて男子出生・養子名替などの祝儀を集めた。また、当日と翌日に総社散銭を集めて二十日に持参した。二十日は惣庄屋の日待で、このとき宗旨帳と疫神斎御札が渡された。宗旨帳は二月朔日に寄せ、疫神斎御札は門口へ貼った。二十五日には十八神道散銭を集めて総社へ持たせた。
 二月は十一日頃に町内宗旨下書改をし、二十二日頃より宗旨帳の読合せをやり、二十七日に取りまとめ、晦日に三月一日の宗旨改の寺割をした。また、十五日には家銀を集めた。三月は四日に宗旨帳を締め、五日に提出した。また、殿様の参勤前に囲炉裏見分を行った。二十五日は青山で伏拝の祭礼があり、館の門前へ獅子が出た。
写真131 府中町桑野屋付近(「府中御城下絵図」)

写真131 府中町桑野屋付近(「府中御城下絵図」)



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