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 第四章 都市と交通の発達
   第一節 城下町とその構成
    二 町役人と町政
      町政の施設
町政のための施設としては、藩側に町奉行所があり、町人側に町役所(町会所)があった。若越の城下町では、町奉行所は侍町の中に置かれるのが通例で、小浜の場合、竹原町の特定の屋敷がそれにあてられている。
 町人の役所は、福井のように町奉行所の中に設けられていた場合もあるが、多くは町人町にあったようである。府中では町会所とか掛屋役所と呼ばれ、宿明町にあって町代が月番交代で勤務していた(『武生市史』概説篇)。
 大野では一番上町の城に近い側に町蔵(町役所)があり、町年寄が執務していた。この土地については、町蔵屋敷分として年貢から一石四斗六升七合が引かれていた。また大野では時鐘屋敷についても一斗八升八合の引高があった(「大野町惣高書上」宮澤秀和家文書 資7)。
 小浜の場合は、慶長十二年の町割で東西二組に分けられたので、それに対応して十七世紀の中頃までは東宮前町に東会所、文珠丸町に西会所と二か所の会所があったが、その後西会所は廃止され、東会所一か所に統合された。町会所には町年寄のほか、町奉行配下の同心が詰めた。
写真129 小浜町会所(「小浜絵図屏風」

写真129 小浜町会所(「小浜絵図屏風」
 



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