Fukui Prefectural Archives
2010年11月発行
福井県文書館では、文書館叢書第7巻として『越前松平家家譜(かふ)』慶永4を発刊しました。
「家譜」は初代福井藩主結城秀康から最後の藩主松平茂昭にいたる253巻に加え、慶永(春嶽)が藩主を退いた後、明治以降の記述が追加として17巻存在しており、270巻にわたって松平家の記述が綴られています。当館では平成21年度と22年度で慶永に関する部分を5冊に分けて活字化する予定です。
「家譜」の内容は越前松平家の冠婚葬祭や幕府・将軍家との諸儀礼および幕府法令等がかなりの部分を占めていますが、藩内の法令や財政・自然災害など、藩政全般にわたる記述も少なからずみられ、幕末の福井藩の状態をうかがい知る基礎的な資料となっています。
第7巻では1868年(明治1)から1880年までを収録しています。この巻および第8巻収録分は、家譜の題箋に「追加」と記されており、付録的な意味合いを持ちます。藩主は養子茂昭が継いでいるので、藩主・知藩事等に関わる記述の多くは茂昭家譜に記され、慶永の家譜は越前松平家の長としての慶永の家政内の記述、親戚や他の華族との交際に関わる記述でかなりの部分が占められています。とはいえ、1867年(慶応3)12月の小御所会議で議定に任じられて以降、70年(明治3)まで慶永は明治政府の要職を歴任しており、鳥羽・伏見の戦いに始まる戊辰戦争の様子や、親藩として徳川宗家存続に力を尽くす慶永の様子をうかがい知ることができます。
福井県文書館の公式HPです。
福井県文書館で開催している展示や講座のお知らせはこちらから。
過去に開催した展示を閲覧することができます。
今年度の展示予定です。