Fukui Prefectural Archives
2011年2月発行
福井県文書館では文書館叢書第6巻として『越前松平家家譜(かふ)』慶永3を発刊しました。
「家譜」は初代福井藩主結城秀康から最後の藩主松平茂昭にいたる253巻に加え、慶永(春嶽)が藩主を退いた後、明治以降の記述が追加として17巻存在しており、270巻にわたって松平家の記述が綴られています。当館では平成21年度と22年度で慶永に関する部分を5冊に分けて活字化する予定です。
「家譜」の内容は越前松平家の冠婚葬祭や幕府・将軍家との諸儀礼および幕府法令等がかなりの部分を占めていますが、藩内の法令や財政・自然災害など、藩政全般にわたる記述も少なからずみられ、幕末の福井藩の状態をうかがい知る基礎的な資料となっています。
第6巻では1854年(安政1)から1867年(慶応3)までを収録しています。この巻の前半では慶永が引続き藩政改革に意欲的に取り組み、西洋の学問や軍備を取り入れていく様子が記されます。しかし、1858年の安政の大獄により慶永は「隠居・急度慎」の処分をうけます。家譜は主として藩主の事績を記しますので、これ以降の福井藩関係のできごとの多くは次期藩主である茂昭家譜に記されています。とはいえ、処分が解かれたのち、1864年(元治1)には藩主茂昭と相談したうえで二人の役割をきめ、家臣にそれを伝えていることや、禁門の変およびそれに続く長州出兵、水戸の天狗党への対応などが記され、慶永が藩主を退いた後もなお大きな力を持ち、国政に力をふるった様子をうかがい知ることができます。
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