Fukui Prefectural Archives
Monthly Exhibition
「読んでみたいけど難しい…」と敬遠されがちな古文書、そしてくずし字。でも、実際はくずし字を知らなくても、絵から内容が想像できたり、関連知識から文字が類推できたりすることが数多くあります。今回はくずし字理解の超入門編として、読みやすい資料(江戸時代の手習・手本や挿絵が豊富な資料)の展示を通して読み解きの楽しさを提供します。
平成29年4月15日(土)~平成29年5月24日(水) ※終了しました。
福井県文書館閲覧室
1829年(文政12)
「御手本(手習、いろは・数字、「名頭之事」「親戚字尽」「相庭之事」など)」
桜井市兵衛家文書(当館蔵) N0055-00729
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食見(現、若狭町)に遺された江戸後期の資料です。寺子屋で手習いの手本として使われました。折り跡があり、横に置き使用したと考えられます。題材となったのは、「いろは」や数の単位、身近な地域の人名・家名・村名などです。変わったところでは、時事的な話題なども取りあげられています。
1713年(正徳3)「群玉百人一首宝箱 全」
桜井市兵衛家文書(当館蔵) N0055-00922
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江戸時代、女子の教養に必要な知識として重視された百人一首は、多くの女子用教科書(往来物)や事典(節用集)に収載されました。この資料もその中の一つです。資料上部では、「手習の仕用の事」として、手習い(文字の習得)の上達法について解説しています。
年未詳「実語教童子教 全(往来物、勝尾屋六兵衛)」
桜井市兵衛家文書(当館蔵) N0055-00924
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「実語教」「童子教」は平安~鎌倉期に成立した道徳用の教科書です。江戸期に庶民に広く流布し、寺子屋で読みの教材として使われました。また、国名・山河・不成就日(何事も成就しない日)など、一般教養的な知識も併記されています。
年未詳「商売往来絵字引」
勝見宗左衛門家文書(当館蔵) B0037-00709
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商売に関わる道具や商品の名称などをわかりやすく理解させるための絵字引です。挿絵と簡単な紹介文が358項目にわたって続きます。魚介類の紹介では、鯨の百尋(小腸)のように現代ではあまりお目にかかれないものも紹介されています。
1883年(明治16)「小学読本 初等科 巻五」
山内秋郎家文書(当館蔵) X0142-00969
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明治初期の教科書です。「阿」、「尓」、「里」、「可」などのくずし字が、その当時でも使われていることがわかります。1900年(明治33)の小学校令施行規則改正以降、現在使われている48種類の平仮名が確定し、それ以外は変体仮名と呼ばれるようになります。
年未詳「けし人形 上巻」
桜井市兵衛家文書(当館蔵) N0055-00871~00873
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江戸期の草双紙(大衆的な絵入り小説)のひとつです。立身出世を志す男(豆右衛門)が、だいづ権現から小さくなる玉をもらい、お供を引き連れ、行く先々で活躍するという奇想天外な話です。ストーリー展開は、一寸法師を思わせるものが主体ですが、桃太郎の内容や、舌切り雀の内容、国姓爺合戦の内容なども取り入れており、ユーモアあふれる物語になっています。
1714年(正徳4)「絵本故事談 三」
桜井市兵衛家文書(当館蔵) N0055-00802
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中国や日本の故事を紹介した江戸中期の資料です。題名が示すとおり浦島太郎のような話ですが、一般的なものとは異なる部分(亀が変身した女性と結婚する、竜宮城ではなく蓬莱山に行くなど)も見られます。
年未詳「絵本写宝袋(巻5-6)」
吉川充雄家文書(当館蔵) C0037-00652
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帰国後の栄一は徳川家に従い駿府藩士(静岡藩)となるが、理財の才を見込まれ、明治2年(1869)11月民部省租税正に任じられる。藩での殖産興業の仕事に未練があったため、大隈重信に辞意を伝えたが、国家の諸制度確立の優先を理由に慰留された。
1715年(正徳5)「雛形都商人(和服柄画集)」
吉川充雄家文書(当館蔵) C0037-00681
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104種類の着物のデザインを掲載した江戸中期の資料です。挿絵と解説で、模様、色や形を紹介しています。「ゆふぜん」「かうりん」という語は、17世紀末から18世紀前半にかけて京都を中心に流行した友禅模様や光琳模様のことを指しています。
1780年(安永9)「都名所図会 一」
加藤竹雄家文書(当館蔵) A0052-02003
京都の寺院や名所について、挿絵を中心に紹介した江戸後期の資料です。さすがは日本の都、多くの場所が掲載されており、全6巻に及びます。「金閣寺」「銀閣寺」といった通称を使うなど庶民向けのガイドブックという意味合いが強いようです。
年未詳「珍曲たはふれ草 上」
坪田仁兵衛家文書(当館寄託) C0005-00418
1795年(寛政7年)「和国たわふれ草 下」
坪田仁兵衛家文書(当館寄託) C0005-00419
手品とそのタネ明かしを紹介している江戸中期の資料です。水の中で火を灯すための道具として、樟脳と松脂、はな紙を使っています。さあ、どうすれば火は灯せるのでしょうか?
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