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第三章 守護支配の展開
   第四節 荘園の変質と一揆
    五 室町期の徳政一揆
      敦賀郡の徳政
 越前の徳政に関しては、文亀二年(一五〇二)・同三年の敦賀郡における田地永代売券に、「年紀之徳政」が行なわれた場合この地を徳政対象外とするという徳政文言が記されているのが注目される(資8 永建寺文書一〇・一一号)。この徳政文言によれば、年紀の徳政とは敦賀郡などを対象に独自に発せられるもので、五〇年以内に行なわれた売買地を徳政の対象とするものであったらしい。敦賀郡以外の越前の地においては徳政が行なわれたことを史料上確認することができない。



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