Fukui Prefectural Archives
Planned Exhibition
昨年度、新たに発見された「慶長御城下絵図」と「天保福井御城下絵図」。この2点の絵図にはいずれも「浅井氏印」の印影があり、 側向頭取から目付となった浅井八百里(やおり、政昭)の子息である権十郎(政由)のものであったことがわかります。
八百里は従来評価されている松平春嶽の教育係としての側面のみならず、来たるべき時代の人材登用を見越して下級家臣の人事管理文書を調査・編成し、藩政の判例集をまとめ、藩政改革プロジェクトを推し進めた有能な行政官でもありました。
今回は新出絵図の見どころを紹介するとともに、松平文庫にのこされた他の絵図や浅井家の関連資料などもあわせて展示します。
平成25年6月28日(金)~8月21日(水) ※終了しました。
福井県文書館閲覧室
剥札(下) 1851年(嘉永4)
松平文庫917(仮695) 福井県立図書館保管 A0143-00470
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家臣団約3,000家のうち中・上層(士分以上)の約900家の職務履歴です。原簿から短冊型に剥ぎ取られた形式で、 浅井八百里(やおり、政昭)ほか先祖の履歴が記されています。
現役当主である権十郎(政由、まさより)は、「士族」に記載されています。
真雪草紙(みゆきぞうし) 年未詳
松平文庫1554(仮164) 福井県立図書館保管
松平春嶽(しゅんがく)が藩の古老による故事逸話や近臣の言葉などを述懐したもので、書かれたのは1883年(明治16)とされています。
これは鈴木準道(のりみち)が書き写したものです。
1843(天保14) 「為君難説」
松平文庫611(仮471) 福井県立図書館保管
『論語』の一節にある「君為(た)ること難し」との語句について、 松平春嶽が家臣に意見を求め、家臣がそれに応じた上申書です。
この部分は八百里直筆の記述で、当時30歳の八百里から20歳の春嶽へ向けた強い思いが感じられます。
新番格以下 1847年(弘化4)
松平文庫926(仮117) 福井県立図書館保管
下級家臣である「卒」身分の藩士の人事管理文書です。
1846年(弘化3)、目付に就任した浅井八百里が中心になり、各目付の書役を動員し約2ヶ月間で仕上げられました
「慶長御城下絵図」1.7倍
「天保福井御城下絵図」2.3倍
拡大複製で、じっくりご覧ください。
浅井家にのこされた絵図(右)複製
「越前北ノ庄城ノ図」松平文庫1310(M73-2)(左)複製
二つの絵図は詳細な点まで一致しています。左図は、端書から明治20年(1887)に浅井権十郎所蔵の絵図を借用して写したものであることがわかります。
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