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 第五章 転換期の福井県
   第三節 変貌する諸産業
    三 漁業・漁村の新しい動き
      福井県漁業の現況
 一九九三年(平成五)現在の福井県漁業の現況をみておこう(福井県情報統計課『第九次漁業センサス報告書』、福井統計情報事務所『福井県漁業の動き』)。漁業の生産量(海面漁業・内水面漁業・養殖漁業の合計)は、七四年の四万六七〇〇トンをピークとして漸減し、九三年には二万三四〇〇トンになっており、全国順位では三六位である。遠洋漁業からの撤退、まき網漁業の衰退が生産量減少の大きな要因である。養殖漁業の生産額の比重は年々高まり、総生産額に占める割合は一四・四%となっている。なかでもトラフグ養殖の収獲量は急激に伸びており、全国で第四位となっている。
 海面漁業の生産額を漁業種類別にみると、底曳網・定置網・イカ釣が福井県の主要漁業となっており、三漁業で総生産額の約七五%を占めている。魚種別生産額をみると、生産額の多いのはイカ・カニ・ブリ・カレイの順となっている。
 漁業生産構造の動向は縮小再生産の方向を示している。漁業経営体数は一七八一で、六四年の二九八八に比べると大幅な減少となっている。年齡別漁業就業者数をみると、三〇歳未満は五・五%にすぎず、六〇歳以上が四一%となっている。就業者の高齢化と後継者不足が深刻化していることがわかる。



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