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 福井県史の編さんにつきましては、県民の皆様から多大の御協力をいただきながら進めてきたところですが、このたび『福井県史 通史編4 近世二』を発刊することとなりました。
 本巻は、通史編の近世二巻のうちの第二巻めにあたり、序章および本編六章からなっています。時期的には、江戸時代の中期以降、すなわち十七世紀終わり頃から幕末の慶応期までを対象としています。
 本編では、貨幣経済の進展等によって変貌をとげた村や浦の様子、越前和紙をはじめとする諸産業、特色ある廻船業、さらには一揆や打毀しといった民衆運動、心学・蘭学などの新しい学問の発達や藩校などの教育機関の充実、幕末の動乱期における若越諸藩の活動などに重点をおいた叙述がなされています。『福井県史 資料編』各巻の成果に基づき、さらに新たな史料も加えて念入りな検討の上に立って、写真資料なども取り入れ、近世中・後期の越前・若狭のあゆみをより具体的にとらえることができるよう構成されています。
 本巻の成果が、県民共有の財産として学校教育や生涯学習の場で大いに活かされ、先人が築きあげてきた郷土の歴史・文化の深さを再認識し、未来への指針となることを期待しております。
 発刊にあたり、監修者の小葉田淳先生をはじめ執筆・編集にあたられた皆様、さらに資料の提供などに多大の御協力をいただいた諸機関・関係各位に対しまして厚く御礼を申し上げます。
   平成八年三月
                        福井県知事       栗 田 幸 雄



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