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伊与原新さん「オーサートーク~作家による出前授業~」(金津高校、三国高校)

「オーサートーク~作家による出前授業~」を開催しました

 令和6年10月29日(火)に金津高校、30日(水)に三国高校で、「オーサートーク~作家による出前授業~」を開催しました。今回は、『宙わたる教室』等の著作のある作家の伊与原新氏をお招きし、「創造するということ ― 文理の垣根を越えて ― 」と題して、お話しいただきました。
 伊与原氏は、母方の曾祖父が福井市一乗谷の浄教寺町出身という意外な福井とのつながりから話を始め、次に、チャットGPTに自分の事を聞いてみた話をし、そのとき西尾維新と勘違いされ、「どうやらチャットGPTはどうしても自分をラノベ作家にしたいらしい」と会場の笑いを誘いました。
 その後、話は、自らの高校時代の読書歴、プレートテクトニクスという当時の新理論との出会いが神戸大学理学部地球惑星科学科への進学のきっかけになったこと、富山大学での助教のときに、過去の地磁気研究でどうしても信頼できるデータが得られなかったことでモチベーションが低下し、結果ミステリの世界に入り込むことになったことなど、作家に転身する過程や作家になってからの苦労を話しました。最後に話のテーマである創造するということについて、「創造とは、マネのちょっと先にあるもの」、「創造とは、0.999……を1にするもの」、「創造とは、一見無関係に見えるものの組み合わせ」と説明し、「専門分野の縦糸、それ以外の横糸の結び目に創造の源がある」、「雑多に読み、学ぼう。心と頭の空白に何かが書き込まれるから」と話をまとめました。
生徒たちからは「『月まで三キロ』という本の執筆のきっかけが、知人との日常会話からだったと聞き、小説家を身近に感じた」、「私は絵を描くことが好きで、自分の絵には自分らしさがないのではないかと悩んでいたが、今日の創造の話を聞いて、私の絵も今までたくさん見てきた絵を少しずつ変えて描いているのかもしれないと思い、考え方が変わって気持ちが楽になりました」などの感想が寄せられました。