文学講座「〈手紙〉から読む太宰治」

開催日 | 2021年 12月4日(土) |
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開催時間 | 14時00分~15時30分 |
会場 | 福井県立図書館 多目的ホール |
講師 | 木村 小夜 氏(福井県立大学教授) |
内容 | 日記・手記・書簡体形式をしばしば駆使する太宰治。とりわけ作中の手紙にはきわめて個性的なものがあります。これらを鍵として、読者への挑発や戦時下での創作の困難など、太宰作品の諸相に迫ります。 |
定員 | 50名(要申込) |
参加費 | 無料 |
申込方法 | 電話かFAX、メールにてお申込みください。直接、文学館窓口に申し込むこともできます。 |
「文学講座・〈手紙〉から読む太宰治」を開催しました
12月4日(土)に、福井県立大学教授の木村小夜氏を講師に迎え、文学講座を開催しました。
木村氏はまず、特定の相手との対話性を不可欠とする手紙の本質を押さえたうえで、敢えて変則的に小説の中に取り入れることによってその本質を浮き彫りにした太宰の手法を、作品名とともに紹介しました。
そして、作中の主体が手紙によって移り変わる「猿面冠者」、手紙を読む者の自由を奪おうとする書き手のエゴが伝わる「燈籠」、切実な手紙が滑稽に受け止められる落差を描いた「誰」、戦地からの弟子の手紙を何度も引用することで、戦時下の検閲の中でも弟子や自分の本当の気持ちを伝えようとした「散華」など、太宰が手紙を小説の中にどう駆使したのかを具体例を挙げて解説しました。
参加者からは、「手紙という視点から太宰文学の新たな魅力を知ることができた」「とても密度の濃い内容で、ご紹介いただいた作品を読んでもう一度確認したいと思った」など多くの反響がありました。
