7/22文学カフェ「『夜叉ヶ池』の地誌的空間」

コーヒーを飲みながら気軽に福井の文学に親しんでいただく文学カフェ。今回は、福井を舞台にした文学作品がテーマです。
6/29より開催の「福井のこわい話」展で紹介する、泉鏡花の『夜叉ヶ池』には、福井の地名が深く関わっています。『夜叉ヶ池』を中心に、泉鏡花が描く福井の怪異についてお話しします。

タイトル : 『夜叉ヶ池』の地誌的空間―越前もの・武生もの―
日  時 : 平成30年7月22日(日)14:00~15:30  (開場13:30)
講  師 : 越野 格 氏  (福井工業大学非常勤講師・元福井大学教授)
定  員 : 30名(要申込・先着順)
参加費  : 250円(飲み物代)※アイスコーヒー、アイスティはプラス50円
申込方法 : 電話、FAX、メールにてお申し込みください。直接ふるさと文学館窓口でもお申込みいただけます。
       飲み物はコーヒー、紅茶、アイスコーヒー、アイスティからお選びください。

19回 文学カフェチラシ.pdf

◆実施報告
 7月22日(日)に越野格氏を講師として文学カフェを開催しました。
 特集展示「福井のこわい話」で紹介している泉鏡花の『夜叉ヶ池』を中心に、福井が描かれた鏡花作品について、当時の地誌も交えながら話しました。『夜叉ヶ池』には、登場人物の名前に「鯖波(さばなみ)」「虎杖(いたどり)」など福井の地名が数多く登場します。そのほかにも「白鬼女物語」「怪語」「栃の実」など、福井が登場する作品を紹介しました。そして、鏡花は北陸地方を描くときには白山を北に置いて物語を構築しており、登場する地名が実際の方角とは違っていることを、当時の地図を示しながら説明しました。
 また、当時は鉄道が開通していないところもあったため、鏡花の実家がある金沢と東京との行き来には人力車や徒歩で峠越えをしなければならない苦労があったこと、その経験が物語にも影響していることなども話しました。
 参加者からは、「泉鏡花の作品に、越前が舞台になったものがこんなに多くあり驚いた」「なかなか福井の昔の地理や文学に触れることはないので、面白
かった」といった感想が寄せられ、福井の文学に親しむ有意義な機会となりました。

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