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 第三章 占領と戦後改革
   第一節 占領と県民生活
    三 福井震災
      あいつぐ風水害
 その後の五年間にかぎっても、毎年のように風水害が福井県を襲い、多くの被害をもたらしている(表65)。一九五〇年(昭和二五)九月のジェーン台風は、紀伊水道から大阪湾をへて三日午後一時すぎに若狭湾を通過、そののち越前岬沖をすぎて北海道に達した。南方よりの風が強い典型的な「風台風」は、水稲など農業関係を中心に大被害をもたらし、その総額は三三億二一四一万円にも達した。

表65 震災後福井県を襲ったおもな風水害(1949〜53年)

表65 震災後福井県を襲ったおもな風水害(1949〜53年)
 一方「雨台風」として猛威をふるったのは、五三年九月の台風一三号である。紀伊半島から伊勢湾に達した二五日午後六時頃風雨がもっとも激しく、その後中部山岳地帯を北東に進み、二六日北海道南海上にぬけた。とくに若狭地方の被害が著しく、遠敷郡中名田村では日雨量五八五・四ミリの豪雨を記録している。この雨で北川や南川がいたるところで決壊し、小浜市、遠敷・大飯郡あわせて死者・行方不明者一〇二人を数えた。また嶺北でも、福井市の日野川が決壊するなどの被害がでたため、県では二六日午前三時に「福井県災害対策本部」を設置し、四市七町三八村に「災害救助法」を適用、救援を行った(資12下 七七、『台風第十三号災害誌』)。



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