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 第六章 若越中世社会の形成
   第五節 平安中・後期の対外交流
    二 日宋貿易と若狭・越前国
      「唐人」の若狭・越前国への来航
 現存する文献史料によれば、摂関期から院政期にかけて若狭・越前国へ来航した外国人は、「唐人」(宋人)に限られる。高麗人の来航も当然予想されるのであるが、現在のところはまだ確認されていない。もちろん史料にみえないからといって、当時、高麗人が若狭・越前国へ来航しなかったことを意味するものではないが、ここでは若狭・越前国への宋人の来航および日宋貿易の実態について述べることにする。
 表51にみえるように宋人の来航は、十世紀末、十一世紀後半、十一世紀末から十二世紀初めの三つの時期に集中する。これは摂関期前半、摂関期後半、院政期前半に対応する。以下、三期に分けて若狭・越前国における宋人との交易および交流の具体的な様相について述べることにする。

表51 平安時代における若狭・越前国への「唐人」(宋人)の来航

表51 平安時代における若狭・越前国への「唐人」(宋人)の来航



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