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 第四章 律令制下の若越
   第三節 都につながる北陸道
    一 官道の役割
      鹿蒜駅
 平城宮で発掘された木簡には「返駅子」(写真70)とあるが返駅とは鹿蒜駅のことである。『和名抄』の郷名によると敦賀郡に「鹿蒜」がある。この郷は旧南条郡鹿蒜村に比定される。鹿蒜が転化したと思われる大字「帰」には式内社鹿蒜神社があり、旧鹿蒜村では最も古い集落と考えられる。ここの地籍図をみると、「中倉」「飛馬谷」など駅家とかかわりのある小字があるので、このあたりに鹿蒜駅が置かれていたのかもしれない。官道は今庄・湯尾峠を経由して淑羅駅に至る。
写真70 木簡(木94)

写真70 木簡(木94)



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