序
福井県史の編さんは、置県百年記念事業として昭和五十三年から着手され、『福井県史』全二十三巻二十五冊の最終の巻として、このたび『福井県史 通史編6 近現代二』を刊行する運びとなりました。
本巻は、通史編の近現代二巻のうちの第二巻めにあたり、昭和期の福井県の歩みを描いています。この時期は昭和恐慌から長期にわたる戦争へ、そして占領から復興へ、さらに飛躍的な高度経済成長を経て低成長経済での構造調整へと、社会と制度が大きく変動した時代でした。この時代のさまざまな困難を乗り越える過程で、現在の私たちの生活の「豊かさ」が築かれてきたともいえましょう。
このような県民の皆様の記憶に新しい時代を描くにあたっては、県内外にわたる調査によって可能な限りの資料を収集して、歴史事実を明らかにすることをめざしました。また、統計資料によるグラフや図表を豊富に用いてわかりやすく叙述するように努めております。
本巻を通して、現在につながる昭和期の福井県の歩みをふりかえることが、二十一世紀のふるさとの明日を展望する手がかりとなることを願っております。
発刊にあたり、監修者の小葉田淳先生をはじめ執筆・編集にあたられた皆様、さらに資料の提供などに多大の御協力をいただいた諸機関・関係各位に対しまして厚く御礼を申し上げます。
平成八年三月
福井県知事 栗 田 幸 雄
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