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 福井県史の編さんは、県民の皆様から多大の御協力をいただきながら進めてまいりましたが、このたび『福井県史 通史編3 近世一』を発刊することとなりました。
 本巻は、通史編の近世二巻のうちの第一巻めにあたり、序章および本編五章からなっています。時期的には、十六世紀末の織田信長の越前侵攻から始まり、福井・小浜両藩の成立、本多氏丸岡藩と松平氏大野・勝山両藩がそれぞれ有馬・土井・小笠原氏と代る頃までを対象としています。
 本編では、太閤検地により大きな変貌をとげた村と浦の姿、敦賀と小浜が上方と北国を結ぶ湊町として繁栄するようす、農民・町民の衣食住も含めた日常生活、などに重点を置いた叙述がなされています。『福井県史 資料編』各巻の成果に基づいた念入りな史料の検討のうえに立って、絵画資料などもふんだんに取り入れ、近世の越前・若狭のあゆみをより具体的にたどることができるように構成されています。
 本巻の成果が、県民の共有財産として学校教育・生涯学習の場で活かされるとともに、福井の歴史と文化の深さと多様さを再確認する契機となり、ふるさとの未来に思いをはせる一助となることを期待します。
 発刊にあたり、監修者の小葉田淳先生をはじめ執筆・編集にあたられた皆様、さらに資料の提供に多大の御協力をいただいた諸機関と関係各位に対しまして、厚く御礼を申し上げます。
  平成六年十一月
                              福井県知事    栗 田 幸 雄
 



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