目次へ  監修のことばへ


    序

 福井県史の編さんにつきましては、県民の皆様から多大の御協力をいただきながら進めてまいりましたが、『福井県史 通史編1 原始・古代』に続きまして、このたび『福井県史 通史編2 中世』を発刊する運びとなりました。
 本巻は、序章および本編六章により構成されています。本編は、『福井県史 資料編』各巻の成果をもとに、中世社会の成立期から十六世紀末すなわち戦国末期までの越前・若狭の豊かな歴史を、文献史学および考古学など人文科学の諸成果を取り入れながら平易に叙述いたしました。例えば、海に開けた越前・若狭を活動の舞台とした海民や商人の動き、豊かな産物に恵まれ、中央の寺社・権門の経済を支えた荘園群とそこに生きた人々の生活、戦国大名朝倉・武田両氏や一向一揆の動向など、中世の越前・若狭のあゆみを具体的にたどることができます。
 本巻の成果が、県民の共有財産として学校教育や生涯学習などの場で活かされるとともに、ふるさと福井の歴史的・文化的な奥行きの深さを再認識し、ふるさとの未来を展望するための一助となれば、これに過ぎる喜びはありません。
 発刊にあたり、監修者の小葉田淳先生をはじめ執筆・編集にあたられた皆様、さらに資料の御提供などに多大の御協力をいただいた諸機関と関係各位に対しまして、厚くお礼を申し上げます。

  平成六年三月
                                福井県知事  栗 田 幸 雄



目次へ  監修のことばへ