データ一覧
「越前世譜」とは、福井藩主の事績を中心とした編年体の福井藩史で、福井藩にとって最も公式で根本的な歴史書の1つです。同じような歴史書に「家譜」がありますが、「越前世譜」はその草稿です。そのため、所々に朱書きで訂正が入っていたり内容が消されていたりしており、「家譜」に収録されなかった内容が残されています。
内容は越前松平家の冠婚葬祭や幕府・将軍家との諸儀礼および幕府法令等がかなりの部分を占めていますが、藩内の法令や財政・自然災害など、藩政全般にわたる記述も少なからずみられ、福井藩の状態をうかがい知る基礎的な資料と言えます。
「越前世譜 茂昭様御代」には最後の藩主である松平茂昭が藩主であった1858年(安政5)~69年(明治2)の出来事が残されています。全部で20巻あり、幕末の福井藩を取り巻く状況をうかがうことができます。
「御書翰」「御来翰」とは、1863年(文久3)~1867年(慶応3)に松平慶永(春嶽)が出した手紙と受け取った手紙を日付順に写してまとめたものです。全部で約2700通もあり、手紙をいつ、誰に出したか、誰から受け取ったか、内容はどんなものかなどが分かります。
これらを読み取ることで、慶永の交友関係をうかがうことができます。
側向頭取は松平慶永の側近にあってその日常にかかわる側向では側締役に次ぐ要職で、 手元費用の管理や小姓頭取・小姓などを監督しました。
「御側向頭取御用日記」には起床の時刻や体調、登城等の時刻や装束、従った家来の氏名、
食事の場所や行事の際の饗応、家族の動向、来訪者とその接遇、手紙の発着や贈答の記録、入浴・就寝の時刻まで、慶永の日常の詳細が日なみに記録されています。来訪者との話の内容は記されていませんが、誰とどのような配置で会い、その際どのような接遇がなされたかが詳しくわかります。
慶永をめぐる様ざまな人物との交流を記録した貴重な資料です。