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通史編序説
  宗教と文化
    三 建築・名勝と諸美術品
      仏像・絵画・工芸
 若狭には重文指定の仏像が三五躯もあって、地方作像と認められるものが多い。多田寺(小浜市)の木像薬師如来立像は桧一木造で、九世紀初頭の作と考えられて、同寺の木造十一面観音菩薩立像・木造菩薩像とともに、若狭の地方作像中で最も古いとされる。羽賀寺の十一面観音菩薩像は十世紀中期以前の桧一木造の優作である。
 宗教絵画として西福寺(敦賀市)の阿弥陀如来像は高麗より、観経変相曼荼羅図は中国よりの渡来で、重文に指定されている。常宮神社(敦賀市)の梵鐘は大和七年(八三三)三月の銘ある新羅時代の鐘で、劔神社(織田町)の神護景雲四年(七七〇)九月十一日の陽鋳銘のある梵鐘とともに国宝に指定される。



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