小説

中野重治

写真提供毎日新聞社

時代の痛みに立ち向かった文学者

福井中学を卒業後、旧制高校の頃より創作を始める。プロレタリア文学運動を推進、獄中生活の後、「村の家」など転向五部作を執筆。戦後、政治と文学の分野で活躍し、少年期の高椋村の生活を描いた『梨の花』で読売文学賞、『甲乙丙丁』で野間文芸賞受賞。

生没年:1902(明治35)~1979(昭和54)
出生地:高椋村(現・坂井市)生まれ

主な作品

タイトル出版者出版年
汽車の罐焚き小山書店1940
歌のわかれ新潮社1940
むらぎも大日本雄弁会講談社1954
梨の花新潮社1959
甲乙丙丁 上・下講談社1969

関連展示

特集展示「没後40年中野重治」 令和元年8月23日(金)~12月18日(水)
中野重治展~ふる里への思い、そして闘い~ 平成28年10月15日(土)~12月18日(日)


高見順

写真提供 朝日新聞社

激動の時代に生きた気骨の文士

東京帝国大学在学中、文芸活動を本格的に開始。「故旧忘れ得べき」で第1回芥川賞候補となる。明治から続く自然主義の文学表現に疑問を呈し、「饒舌体」とよばれる独自の文体で創作を続けた。晩年は日本近代文学館の設立に尽力した。

生没年:1907(明治40)~1965(昭和40)
出生地:三国町(現・坂井市)生まれ

主な作品

タイトル出版者出版年
故旧忘れ得べき人民社1936
如何なる星の下に新潮社1940
昭和文学盛衰史 全2冊文藝春秋新社1958
死の淵より講談社1964
高見順日記 全8巻勁草書房1964-1966

関連展示


デジタル文学館 収蔵資料展「自筆資料で読む高見順の作品」 令和3年8月17日(火)~
高見順関連展示 令和2年8月8日(土)~9月22日(火・祝)
高見順没後50年特別展「昭和から未来へのメッセージ」 平成27年10月31日(土)~平成28年1月17日(日)
New Collection-高見順新収資料展-  平成25年6月1日(土)~7月24日(水)
高見順展-書くことは生きること- 平成22年6月25日(金)~8月31日(火)
高見順賞・H氏賞受賞作品展 平成22年3月5日(金)~4月11日(日)
荒磯に生まれた文士 高見順没後四十年記念展 平成17年6月28日(火)~9月11日(日)

多田裕計

理想を貫く不屈のロマンティスト

早稲田大学在学時より執筆を始め、1941年『長江デルタ』で芥川賞を受賞。戦時中は福井市に疎開し、空襲、震災を経験した。同郷の作家と共に雑誌を刊行し、福井県文化協議会の設立に尽くすなど、福井の文化活動に大きく貢献した。

生没年:1912(大正元)~1980(昭和55)
出生地:福井市生まれ

主な作品

タイトル出版者出版年
長江デルタ 文藝春秋新社1941
アジアの砂 講談社1956
小説芭蕉 学習研究社1964

関連展示

多田裕計展~生誕100年記念~  平成24年10月26日(金)~11月30日(金)


水上勉

撮影 水谷内健次

人間の情念と尊厳を描く社会派作家

9歳より京都の禅寺へ修行に出るが、後に還俗し様々な職業を経験した。1948年『フライパンの歌』がベストセラーとなり、61年『雁の寺』で直木賞受賞。日本の社会問題や自然環境、伝統文化についての作品を著したほか、『越前竹人形』など福井を舞台にした作品を書いた。

生没年:1919(大正8)~2004(平成16)
出生地:本郷村(現・おおい町)生まれ

主な作品

タイトル出版者出版年
雁の寺文藝春秋新社1961
越前竹人形中央公論社1963
飢餓海峡朝日新聞社1963
寺泊筑摩書房1977
ブンナよ、木からおりてこい三蛙房1980

関連展示

生誕100年水上勉展~生きるということ~ 令和元年7月20日(土)~9月23日(月・祝)
水上勉と冬の光景  平成25年12月20日(金)~平成26年1月15日(水)
水上勉が描いた越前 平成18年6月6日(火)~7月17日(月・祝)

津村節子

写真提供 産業経済新聞社

女性の深奥を描く作家

順化尋常小学校4年生まで福井で暮らすが、母の病死を機に東京へ転居。学習院大学短期大学部卒業後、吉村昭と結婚。1965年、夫婦生活を描いた「玩具」にて芥川賞受賞。『炎の舞い』『白百合の崖』『絹扇』など福井の女性を描いた作品がある。

生没年:1928(昭和3)~
出生地:福井市生まれ

主な作品

タイトル出版者出版年
玩具文藝春秋1965
白百合(しろゆり)の崖(きし)新潮社1983
流星雨岩波書店1990
絹扇岩波書店2003
紅梅文藝春秋2011
津村節子~これまでの歩み、そして明日への思い~ 平成30年10月26日(金)~平成31年1月23日(水)
津村節子と吉村昭 果てなき旅 ~夫婦作家の軌跡~  平成27年2月1日(日)~4月5日(日)
New Collection展~津村コレクションを中心に~  平成25年4月20日(土)~5月31日(金)
津村節子とふるさと福井 平成21年2月10月(火)~3月25日(水)

有明夏夫

写真提供 文藝春秋

ユーモアと人情を愛した小説家

1945年に戦災で福井に疎開。麻生津小、足羽中、勝山精華高を卒業。明治初期の庶民を描いた『大浪花諸人往来』で直木賞受賞。幕末の福井大野藩が舞台の『幕末早春賦』や、福井市の高校生の生活を描いた『俺たちの行進曲』などの著作がある。

生没年:1936(昭和11)~2002(平成14)
出生地:大阪府生まれ

主な作品

タイトル出版者出版年
FL無宿の叛逆講談社1973
幕末早春賦文藝春秋1977
大浪花諸人往来角川書店1978
俺たちの行進曲文藝春秋1981

関連展示

没後5年 直木賞作家 有明夏夫展 平成19年10月30日(火)~12月9日(日)

山崎光夫

記者の目で医療小説の地平を開く

早稲田大学卒業。記者時代に、医療コラムを担当した経験から、医学・薬学を題材にした作品を多く執筆。医療の視点から、現代社会や歴史上の出来事を描く。1998年、『藪の中の家』で新田次郎文学賞受賞。

生没年:1947(昭和22)~
出生地:福井市生まれ

主な作品

タイトル出版者出版年
安楽処方箋講談社1986
ジェンナーの遺言文藝春秋1986
藪の中の家文藝春秋1997
小説曲直瀬道三東洋経済新報社2018

関連展示

明智光秀を描いた福井ゆかりの文学 令和元年12月20日(金)~令和2年2月19日(水)
医と文学~杉田玄白からかこさとし、山崎光夫まで~ 平成29年7月15日(土)~9月18日(月・祝)

藤田宜永

©森清

男と女の心理を描く恋愛小説の名手

中学卒業までを福井で過ごし、高校進学に合わせて上京。早稲田大学中退後、1973年にパリへ渡り、帰国後の86年に『野望のラビリンス』でデビュー。2001年には『愛の領分』で直木賞受賞。恋愛小説、ミステリーなど、多くの作品を生み出し続ける。

生没年:1950(昭和25)~ 2020(令和2)
出生地:福井市生まれ

主な作品

タイトル出版者出版年
鋼鉄の騎士 新潮社1994
求愛 文藝春秋1998
愛の領分 文藝春秋2001
愛さずにはいられない 集英社2003
女系の総督 講談社2014
大雪物語講談社2016

関連展示

追悼 藤田宜永さん 令和2年2月1日(土)~4月12日(日)
日本ミステリー文学展~藤田宜永からの招待状~  平成28年7月16日(土)~9月11日(日)